チャンタの映画感想ブログ

新作・旧作映画のレビューブログです。ネタバレはできるだけ避けています。

『ちはやふる 上の句』〜映画感想文〜

 ※この記事はちょっとだけネタバレしています

 

ちはやふる 上の句』(2016)

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 上映時間111分
 監督・脚本:小泉徳宏

(あらすじ)
幼なじみの綾瀬千早(広瀬すず)、真島太一(野村周平)、綿谷新(真剣佑)の3人は、新に教わった「競技かるた」でいつも一緒に遊んでいた。新の競技かるたにかける情熱に、千早は夢を持つことの大切さを教わるが、そんな矢先に新は家の事情で遠くへ引っ越してしまう。高校生になった千早は、新に会いたい一心で「競技かるた部」創設を決意し、高校で再会した太一とともに部員集めに奔走。なんとか5人の部員を集めて競技かるた部を立ち上げた千早は、全国大会を目指して練習に励む。(以上、映画.comより)

 

予告編

www.youtube.com

 

 

 

 めっちゃ良く出来ててよかった!!(涙)by原作ファン a.k.a 私

 

 

 これに関しては観たのが4月の初頭なのですが、まだ映画館で上映されているので、この記事を読んでくださった方は今すぐチケットを予約してください(真顔)

 

 と、言いたくなるほど普通によくできた青春映画でした。

 

 私はがっつり原作のファンなので、実写化の情報とビジュアルを見たときは正直、「マジか、、、これはキツいんじゃないか」という心配でいっぱいでした。

 

 そもそも、原作はほぼ全員のキャラクターの背景が丁寧に描かれていて、いろんな部分でその物語が重要になってくるので、これを映画で描くとなると登場人物の描きこみ不足になりかねないだろうと。

 あと、見せ場である「試合シーン」は競技かるたの、一瞬で決まるというスピード感が魅力なのですが、あのスピード感を映像で魅せるとなると本物の選手 a.k.a モノホンカルターを呼ぶしかないのでは?、凡庸な邦画アクションよろしく、スロー→チャカチャカ早回しみたいなことされたら容赦ねぇぞ!!みたいな気持ちだったわけです。

 

 

 しかし、いざ作品を見てみると先述した心配はかるたの札よろしく完全に吹っ飛びました。(無駄な例え) 

 まず、いくつかのキャラクターの設定を原作から変えることで説明を省くという大胆かつ的確な変更。でも、ただの「物語のためのキャラクター」になっておらず、ちゃんと実在感がある登場人物になってる。当たり前のことなんですが、これができてない作品、特に漫画原作モノの邦画に多いと思います。

 で、メインに据えるキャラクターはもちろん千早(広瀬すず)と太一(野村周平)なんですが、本作のクライマックスが机くんこと駒野(森永悠希)エピソードなのと関係して、ほぼ太一メインになっています。

 

 というのは、太一は金持ちで文武両道なイケメン野郎なわけですが、かるたに関しては「天才」の千早と比べたら「持たざる者」です。ゆえに卑怯だったり、かるたをやる意味に悩んだりします。

 で、机くんはやっとの思いでかるた部に居場所を見つけたけど全然勝てない人。

 

 この二人の「持たざる者」がどう試合と向き合うかがクライマックスなんですが、本当に感動的で。

 机くんがするかしないかというその分かれ道で、するという方を選ぶ瞬間はもう号泣でした。。。 

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さながらイタリアの種馬!

 

 太一のほうも、努力+運が導く結果にロジックがきちんとある見せ方がうまかったですね。最後に出た札がねぇ、、、

 

 ま、それでもここまでは上手い監督ならば超えられるハードルです。

 

 最大のハードルはかるたバカの残念美人「綾瀬千早」を実在感のあるように見せること。

 千早はもっと端正な美人顏の綺麗系(個人的な意見)広瀬すずはやっぱり小動物的な可愛い系ですので(個人的な意見)、僕の好みからいえば合っていないなぁという感想でした。(あくまで個人的な意見です。)

 

 

が、映画見てみると広瀬すずがビックリするぐらいの振り切ったバカ演技(絶賛)で好演していて、「この子しかいない」と思うほどハマっていました。

 「海街diary」でも証明済みですが、広瀬すずの身体能力の高さが遺憾なく発揮されていたり、集中した時の眼の演技だったり、「あぁ、これは千早だ」と原作ファン納得の出来。あと半端ない可愛さ。

 広瀬すずは本当にすごい女優になるんじゃないかと思いますね。可愛さが半端ないじゃない。うん。

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 脇を固める役者陣も最高でしたし、新役の真剣祐さんの佇まいとかすごかったし、2回目に出てくる山登りのシーンの思い出し表現が最高に泣けたし、一言で「青春サイコー!」って感じです!(雑なまとめ)

 

 もちろん、欠点も多い映画ではあると思います。

 演技テンションのバランスは若干気になりましたし、省略したせいで説明不足ななってる場面もあるように思いました。

 あと不満点といえば、原田先生のちはやふる屈指の名台詞が出てくるのですが、それの使い方が勿体無いなぁとか。

 

 まぁしかしそんなことは関係なく、本当に老若男女問わず、色んな人が観て楽しめる映画になってるんじゃないでしょうか。

 下の句と同時に観れる今!観に行ってみてはいかがでしょうか?

 

 普通に超オススメです!

 

 

原作、アニメももちろん超オススメです。

 

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