『ズートピア』〜映画感想文〜
※この記事はちょっとだけネタバレしています
『ズートピア』(2016)
上映時間109分
監督 バイロン・ハワード、リッチ・ムーア
脚本 ジャレッド・ブッシュ、フィル・ジョンストン
動物たちが高度な文明社会を築いた世界「ズートピア」を舞台に、ウサギの女の子ジュディが夢をかなえるために奮闘する姿を描いたディズニーアニメーション。監督は「塔の上のラプンツェル」のバイロン・ハワードと「シュガー・ラッシュ」のリッチ・ムーア。どんな動物も快適な暮らしができる環境が整えられた世界。各々の動物たちには決められた役割があり、農場でニンジン作りに従事するのがウサギの務めだったが、ウサギの女の子ジュディは、サイやゾウ、カバといった大きくて強い動物だけがなれる警察官に憧れていた。警察学校をトップの成績で卒業し、史上初のウサギの警察官として希望に胸を膨らませて大都会ズートピアにやってきたジュディだったが、スイギュウの署長ボゴは、そんなジュディの能力を認めてくれない。なんとかして認められようと奮闘するジュディは、キツネの詐欺師ニックと出会い、ひょんなことからニックとともにカワウソの行方不明事件を追うことになるのだが……。(以上、映画.comより)
予告編
ディズニー力(ぢから)ハンパねぇ!!!
GW最終日のお昼に観に行ってまいりました。
子供連れ多いかなと思ってたんですが、意外に少なく、まぁカップルとか小学生とか中学生グループが多かったですね。
結論から言えば、「あれ?思ってた感じと違う!」っていうのが率直な感想でした(笑)
と、いうのも予告編以外ほとんど前情報なしで観に行ったので、「田舎から出てきた警察官の可愛いウサギさんが、都会で挫折を経験しながら夢に向かって頑張るおはなし!(*^^*)」くらいに思ってました。
まぁ確かにそういうお話なんですが、映画の節々に「Black lives matter以降の映画」感が表れていました。
要するに昨今のアメリカの人種差別問題をものすごく打ち出した映画で、ぶっちゃけここまで露骨に政治的なメッセージを表面化させたのはディズニー作品の中でも稀ではないかと思います。
そしてこの問題意識はそのまま今の日本にも当てはまる。
劇中でしつこく言及される「ウサギだから〜」とか「キツネだから〜」という特定の種族をステレオタイプに捉える言い方や、特定の職業に就けない種族の描写など、ズートピア=アメリカという構図を浮き上がらせる要素が散りばめられていました。
このような差別の問題を提示した上で、この映画は「当事者意識」というところまで踏み込みます。
終盤、主人公のジュディの記者会見での言動のシーンでは「自分は差別しない」という思い込み、また同時に「自分も差別されるかもしれない」という意識にこれでもかとボディブローを打ち込まれる気分でした。
ちょっとした言い方が誰かを傷つけることに繋がるかもしれない。
ふとした瞬間に自分でも気付いてないステレオタイピングをしているかもしれない。
そんなことを非常に考えさせられる映画でした。
と、書くと「どんだけ堅い話やねん!」みたいな感じですが、そこは流石のディズニー。
普通に超楽しいエンターテイメント映画になっています!
しかもこの楽しさがそのまま、「色んな人がそれぞれ色んな方法で暮らしている」ことの楽しさ=この映画のテーマに直結しているという。なんたるディズニー力(笑)
それと、ちょこちょこ挟み込まれるギャグ。今回の露骨すぎるディズニー自身のメタ的なギャグの切れ味もサイコーに面白いですし、ナマケモノのギャグシーンは劇場で爆笑が起こってていい雰囲気でした!
こういう動物ネタもステレオタイプを逆にギャグにしてしまっているあたりが先述の「差別はよくない」的なメッセージとのうまいバランス感になっているという。なんたるディズニー力(2回目)
あとは主人公ジュディの可愛さといったらもう、、、(ケモナー的発言)
でも、ウサギ以外がウサギにcuteと言うのはあまりよろしくないようで、、、(詳しくは映画で!)
まじ可愛い。
他にも、とある"芝居"をめぐる完璧な伏線回収やら、キツネのニックの相棒のあの動物はなんなんだ問題とか、、、個人的には途中にでてくる、「おそらくイリーガルなモノを摂取してスピリチュアルな感じになっているであろうアイツら」のシーンがたまらなかったですね。
超すげぇアニメーション、超すげぇ脚本、超正しいメッセージ、超可愛いジュディが堪能できるディズニー作品の中でもトップクラスの作品だと思います!
画像検索してたら、サイコーなリア充画像があったので置いときますね。
これを取り返そうとするジュディも可愛かったなぁ、、、