チャンタ的 2020年映画ベスト10
ご無沙汰しております。
コロナ禍で完全在宅ワークになったのをきっかけに再開したこのブログ。
仕事が忙しくなって案の定三日坊主的な感じで8月の更新が最後になってしまったことが、本当に私のルーズさを物語っているのですが・・・(笑)
今年は本当に映画にとっては大変な1年でしたね。
劇場が閉まり、楽しみにしていた作品は延期になり、配信限定の映画やドラマが盛り上がり、、、
映画好き、そして映画に関わる仕事をしている身としてはなかなか辛いものもありましたが、そんな中でもいい映画というものは世に送り出され、私たちに感動や衝撃を与えてくれていました。
ということで、今年公開された作品の個人的ベスト10をここに書き留めておきたいと思います!
一応順位はつけますが、どれも素晴らしい作品ですし、そもそも映画に順位をつけるなんてナンセンスですが、個人的な好みもありますのでどうぞご勘弁を(笑)
では早速ベスト10の発表・・・の前に、まずは全然知らなかったけど、話題になってたから観たら面白かった掘り出し物的作品の2作品の発表!
VIDEOPHOBIA
話題になってたし、地元大阪で撮影ということで鑑賞。
ほぼ実験映画と言ってもいいくらいとにかくバッキバキに尖った演出にシビれました。
「見る・見られる」の関係って映画の1番面白い瞬間だと思うのですが、その繰り返しがドラマを引っ張る力になって、どんどん引き込まれる。
狂ったのは自分か、それとも世界は初めから狂っていたのか。
自分が何者かわからなくなっていく恐怖、インターネットを介して様々な自分が様々な人によって作られていく恐怖という意味で、極めて現代的なホラーの在り方だなぁと思いました。
新喜劇王
たまたま近所のビデオ屋で平出しされており、「チャウ・シンチーだし、スカッと笑えるかな」と思い鑑賞。
これがびっくり、最後は思わず号泣してしまいました。
もちろんチャウ・シンチーなので無理矢理な話運び、ナンセンスギャグのオンパレードではっきり言って滑ってるところもあるのですが(笑)
夢に向かって努力すること、その人の人生全てが無駄じゃないと畳み掛けるクライマックスが非常に感動的で、まっすぐなメッセージに胸を打たれました。
「ラ・ラ・ランド」好きな方は必見の1本です!(笑)
ということで掘り出し物2作品のご紹介でした!「VIDEOPHOBIA」は今年豊作だった日本のホラーに、また新たな才能が出てきたなという感じで本当にオススメです。
「新喜劇王」もめちゃくちゃいい作品なんですが、笑いのツボが合わない人にはキツイかもと思い、この枠に(笑)
では、さっさと本題のベスト10に行きましょーー!!
10位 『WAVES』
まぁなんといっても、音楽と映像が超フレッシュでいい!
何気に心に残って、この映画を観た時に説明がつかない感動がございまして。
ということでこの位置に入れました!
僕の感想はこちらから↓
9位 スパイの妻
ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した本作。
さすが世界の黒沢清!これぞ映画だって見ている間、ずっと陶酔できる映画でした。
歴史物、メロドラマとしても超一級品。
いつも黒沢監督は、"世界"が崩壊していく様と人が何かに気づく様子を並行して描いていますが、今回は"戦争"に向かって夫婦の"愛"を問う話ということで、これまで以上に身近に感じる、そして"リアル"な作品だったと思います。
あと、主人公が映画マニアだったり山中貞雄への言及があったり、やっぱりこれは「映画についての映画」だったなぁと。
映画の持つ力を信じる黒沢監督の真骨頂であり、次のステージに行った作品でした。
8位 ブック・スマート 卒業前夜のパーティーデビュー
今年はティーンを描いた映画が豊作でしたが、この映画はマジで青春映画史に残るエポックメイキングな作品!
とにかく最高すぎるし、Netflixにも入ったのでとにかく観てください!(笑)
僕の感想はこちら↓
7位 ミッド・サマー
日本でも異例のスマッシュヒットとなった本作。
そりゃ今一番好きな監督の1人、アリ・アスターが前作「ヘレディタリー 継承」を経て、
トチ狂ったドラッグムービー出してきたんだからベスト10には入りますよ(笑)
話というかディテールに言及してナンボの映画だと思ってるんですが、個人的なお気に入りは生き物みたいな花と、人間の開き(笑)と、あの気分の萎える性交シーンです(笑)
6位 ハーフ・オブ・イット
コロナ禍で配信された大傑作!!
これ本当に脚本も演出もよくできた映画で、本当に品のいいコメディ。
引用される作品も最高だし、色んな人たちを多面的に描いた作品という意味では、今年ナンバーワンに面白かった映画。
「声(言葉)を持たなかった人たちが声を獲得していく物語」だと思いました。
みんな本当に幸せになってくれ!!と前向きになれる作品でした。
5位 アンカット・ダイアモンド
今年、瞬間風速最高的な感じで盛り上がったのはこの作品のラストでした!
とにかくクズ男がその場しのぎであれよあれよと追い込まれていく映画ですが、もう笑ってしまう勢いで爆笑しつつ超興奮しました。
音楽も細かい演出も見事だったのですが、何よりアダム・サンドラーのクズ男っぷりが最高!
ラスト思わずガッツポーズしてしまった映画は「デス・プルーフ」と本作!
さすがのA24作品で、変な映画でした(笑)
4位 本気のしるし
安定の深田晃司監督作品。
4時間の上映時間を全く感じさせない脚本、きめ細かな演出、俳優陣の演技、全てが一級品の作品でした。
「ファム・ファタール」という男性的な価値観から生み出されたキャラクターに陥ることを拒む土村芳さんが本当に素晴らしかったです。
「ふたりなら堕ちても」というキャッチコピーの通り、とことん2人の世界に堕ちていくわけですが、だからこそ人を愛するということの切実さが真に迫るラブストーリー。
ここ数年で間違いなく1番のキスシーンでした。
3位 ブルータル・ジャスティス
見逃しててこの年末に鑑賞したのですが、本当に大好き!!(笑)
ドライな雰囲気、渋い音楽、主人公コンビの罵倒しあい仲良しコミュニケーション、メルギブのレイシスト丸出し悪徳警官(笑)
容赦ない暴力描写もありますが、そこをサラッと流してしまう映画全体の空気感が、70年代バイオレンス映画マナーって感じで、好みドンピシャの作品でした。
ショットガン・サファーリ!!!
2位 透明人間
ホラーがとにかく豊作(何回目)の今年でしたが、本作のジャンル映画としての出来は圧倒的だったんじゃないでしょうか!
何もない空間がこんなに怖いと思って鑑賞したのは久しぶりでした。
オープニングのシークエンスの見事さ、全編一瞬たりとも消えない緊張感、そしてラストのカタルシスまで、映画の面白さがつまった究極映画(笑)
MeToo運動以降の映画としても本当によくできてるし、何よりそれが完璧に誰にでも楽しめるエンターテインメントのジャンル映画なのが最高!
1位 ロング・ショット僕と彼女のありえない恋
堂々の第一位は、今年の頭に公開された本作!
もうこの1年間、ことあるごとにこの映画を思い出してました。
ラブコメの最先端!セス・ローゲンとシャーリーズ・セロンの意識の高さが本当に素晴らしいのですが、それをド級の下ネタとともにコメディに昇華してしまうセンス!
ヒロインとしてのセスが本当に可愛くて(笑)
あと、シャーリーズ・セロンは本当に人間としての頂点にいる存在なので良いに決まってるんですが、かっこいい彼女、キュートな彼女、セクシーな彼女の全てが見れるので本当に最高!
「ここはアメリカよ!!ガタガタ言わないで!」のセリフに号泣。
これがアメリカのエンタメの底力だと思いました!
というわけで、チャンタ的2020年映画ベスト10でした!!
なんかホラーとティーンムービーが多めですね。でも今年はコメディとホラーが色んな角度でアップデートされたものが多かった気がします。
と、最後に僕的に「今年のベスト」という枠に入れられなかった、殿堂入り作品ということで
故大林宣彦監督の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を。
本当に映画を愛し、映画に学び、映画と一体となった大林監督渾身の最新作でした。
こんな映画は二度と観れないと思うし、映画の歴史と日本の戦争史をたどる本作。
ソフトが出たら是非観ていただきたい1本です。
僕の今までで1番長い感想はこちら↓
今年は本当に大変な1年でしたが、いいたくさんに出会えて本当に嬉しかった!
来年はもう少し更新頻度上げていきたいです(笑)
来年もいい映画に出会えますように!
それではよいお年を!